ドリームキラーは身近にいる。
人を自分のレベルまで引き下ろそうとテンションを下げてくるやつってのは意外と身内にいるもんだよね。
先日の亀ちゃんにボコられたホストに大喜びした自分が言えたことでもないか。自分には同じこと絶対できないもんね。亀ちゃん相手にリングに上がろうなんて思わないもんね。
あのあとのホストをフォローするような亀ちゃんのコメントでて自分恥ずかしいっす!ってなった。亀ちゃん優しすぎる。
DVDレンタルするとき、間違いないだろう作品がそろったときは、あえてチャレンジ枠を設けるのだが、
原作がいい!っていう評判は結構聞いたので映画のほうにもちょっと期待したけど、なんやろうこれ。百田さんの話はロマンティックなんやけど根本的に間違ってるとこもあったりするんであれだけども。
一個だけリアルやなとおもったとこはあんまり興味ない競技の顧問になってしまった香椎女史演じる教師の温度の低さだけ。
市原くんのボクシング技術がちょっと期待外れだった。そんな体重乗ってないパンチ連打しても。フォームがなってない。競技ボクシングだからいいのかもしれんけど。50分までみても乗れなかったから最後まで見なかった。
そもそも配役にかなり無理があった気がする。
犬が可愛くてよかったです。
めっちゃ面白い!!
これめっちゃ面白かった!!
バンクシーのネズミの絵あれかわいいよね。好き。
普通にピカソとかと同じで戦闘力たけえアーティストだと思ってたけど、イスラエルの壁に画をのこしたこともかっこいいなと思っていたので興味があった。その辺見れるのかと思ったら違った。
バンクシーのドキュメンタリー映画と思ったら、バンクシーを追っかけてて撮影を許可された自称映像作家が主役になった映画だった。
バンクシーは顔出しも声出しもNGなんで基本逆光でフードかぶってことの起こりから顛末まで要所要所語りで出てくるんだけど。真っ黒なシルエットの暗黒卿感と加工された声が、ウケるくらいの大物感でかっこよすぎる。
事の起こりはバンクシーがこそこそ活動してきて、そろそろ公に認めてもらえるような機会があってもいいかなあと思ってたところに、自分を探しているというビデオ撮影オタクの主人公ティエリーが現れたことによる。
バンクシーはいままで明かしてなかった活動拠点や活動の現場と仲間を撮影させた。ティエリーはバンクシーに会うまでも偶然の成り行きでストリートのアーティストを撮影しまくっていた。ので界隈からの信頼度がすでにあったからでもある。
アートをぶっこんだ直後、ティエリーが何も知らないふりして町の人にインタビューしてきた映像をバンクシーもその仲間も気にいり、(ティエリー本人の天然なキャラも含め)受け入れられたティエリーは、そのあとも映像を撮りまくる。
撮りまくってテープはただ放置。
見かねたバンクシーが「それ、形にするという意味で映画にしたら?」と提案。素直なティエリーはわかったと撮りためた膨大な映像をくじ引きの要領でつないだ。
ひどかった。まじでジャンキーなパッチワーク映像が延々70分つづく。目が痛いし、あんまり脈絡もないしほんとひどい。バンクシーが「あいつは精神的におかしいビデオオタクなんだとわかった」と語るとこ大笑いポイント。バンクシーは大人なので「これは映画として成立してない」と言わず、婉曲表現的に「映画っていうか、ストリートのアート見てきたんだし、そっちのほうができるかもね」ってティエリーに引導を渡したつもりが、ティエリー素直なんで、おれストリートやるよ!って全財産なげうって割とすぐにでかいアート展を開催しちゃう。
最後のオチまで言うと成功しちゃうんですよね。ティエリー。
最初五日ぐらいで終わるはずが2か月延長して100万ドル稼いじゃうんだ。
ティエリー開催前に作品が間に合わなかったり足骨折したりで、ピンチだったけど、見かねたバンクシーからもらったコメントで宣伝打ったり仲間のプロモーターとかの手助けで、ほとんど自分が手を出さなくても他力本願でアートを用意できて、行動力っていう天才的手腕でアート展成立させた。
バンクシーとかほかのアーティストたちは自分らが長い時間かかって確立してきたスタイルだけ模倣されて、成功しちゃった中身のないど素人作品が評価されてしまう世の中にがっかりする。バンクシー本人は「昔はみんながアートに関わればいいと思ってたけど、それは間違っていた」と断言して終わる。
いろいろ皮肉のこもったドキュメンタリーだった。
馬鹿と天才は紙一重とか
大衆の評価なんて、本質的なものは見えてない
評価されちゃったらそれも本物になっちゃうとか
成功したバンクシーだってもしかしたらティエリーに嫉妬して”間違っていた”というしかなかったかもしれない。評価されたら通用するっていう世界でのアートに意味なんかあるんかという疑問も。ただの投資という面も実際あるから。
結局意味づけは自分の中にだけあればいいということかもね。
笑えるし興味深いし、面白い映画だった。