思い出 10
さすがに修治のおかげで、旅が濃くて深くなっていた。
そんで、青森の晩夏は少し涼しくて物悲しくて。
あの夏が終わるときの寂しさがより濃い濃度で襲ってきた。
そして泊まった部屋の窓からはす向かいの廃墟ビルのがらんどうがもろみえで、へやも薄汚く、怖くて寝られないよーはくちゃーん(姪)!!!
思わず電話した。
そうだ、明日帰ろう。もうさびしさがマックスだった。
隣の部屋のおっさんのいびきをたよりになんとか眠った。
翌朝は港へ戻って、明るい人間界に戻りたくなったのでタクシーなど駆使してここへ来たよ。
一面しろいんだよ。
聖域?もしかしてこの奥にドラゴン種族の玄室あるんじゃね?ってドキワクしながら見学、美術館。
あおもり犬だよ。でかいよ。みんなが遠巻きに見ていたから、自分が真下に駆けていくと、犬を囲んでいた輪が小さくなる集団心理。