ドラマっていいもんですねえ。
年末年始である必要はないと思うけど、ブレイキングバッドですね。
タイトルは道を踏み外すみたいな意味になるんかしら。
ざっくり導入のあらすじをいいますと、
主人公ウォルターは肺がんで余命宣告を受けた、高校の化学教師。バイトに洗車場でも働いている。
奥さんは臨月間近の金髪美人。高校生の長男は身体障害者。
オバマ政権の元、しかれている健康保険が民間に委託されているため、治療をうけるにも保障外の医療となると莫大なお金がかかる。
余命短いウォルターが優先事項としたのは、自分が死んだ後も家族が十分に暮らしていけるお金を残すこと。
偶然再会した元教え子のジェシーが風邪薬から粗悪な麻薬を作って売りさばいていることを知ったウォルターは化学の知識を生かして純度の高い麻薬「クリスタルメス」の生成によって金を稼ぎ始める。
極論いいますとね、一番楽しい瞬間が法に触れるものであっても、ご本人がいっちばんキラキラギラギラ生きられる瞬間があるなら社会的な道徳観も倫理もくそくらえってことじゃない?っていうことが監督は描きたかったんじゃなかったじゃないかな~と思う作品なんだよね。
もちろん主人公のウォルターがとんでもなく愚かな行いをして、くそみたいな虚栄心とか劣情で犯罪を重ねていくことを肯定なんかしてないんですよ。
でもね、ラストでは本人に全部俺自身がこうしたかったことだから後悔してない!って言い切る演技をさせるんだなあ。そのシーンでは自分のちっぽけな日々で溜まっていく心の澱みたいなのが洗い流されていくようなものすごいカタルシスがある。
ウォルターの生きざまはフィクションだからそれが描けるんであって。もし現実にそこに巻き込まれたら悲惨でしかないんだろうけど、ドラマだからこそ踏み込めた宣言があったんだよ。
主人公もいいのは当然ですが、脇役のそれぞれの事情とか振る舞いもとってつけたような感じがなくてほんとにみんないそうなキャラクターばっかり。
個人的に好きなキャラは弁護士のソウル。
有能すぎるでしょ。っていう。ウォルターたちの失敗を軽口たたきながらなんでも納めてしまう。結構やばいとこまで首突っ込むくせに、ばかばかしいCMで地域ではかなり顔が利くし、軽薄な雰囲気。ピエロみたいな配色のファッションセンスも全部素敵すぎる。隙がないかと思えば用心棒がプーさんみたいな巨漢の黒人と程よく間抜けな白人というところもいい。