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そういうことか。「この世界の片隅に」(前)ネタバレ感想。

 やっとわかったな。

 何がそうすごいすごいといわれとるんや「この世界の片隅に」は!と思っていたのだけど。感想です。長いので前後にわけるよ。ネタバレしまくるよ。

 作品の質の高さが圧倒的であることは別としてね。

 それはいうまでもなくなんだよ。

 つい対比してまうのがあの映画だよ。予告で、あの掛け合いの予告のやつ、予告で俺の中のギップルが断末魔の絶叫をあげたあれね。予告であれなのに本編みれるかッつーね。逆にあれのパロディはいろいろ面白いけど。めちゃイケの西野のやつ。西野いじられるとおもしれー。ラジオでのしずちゃんと山ちゃんのやつも。(南海の漫才って長尺でやると面白いんですね)ま、見てないから比べたらだめなんだけど。

 

 基本的なすごさは。絵とかもそうだけど、

 主人公を戦争の英雄的に描くわけでもなく、普通の少女の日常、それもあの時代ほとんどの人がそうだったはずの家制度に従って生きる女として丁寧にみせるのも意義が深かったし。とばっちり受けてるという片隅感からよけいに日常が壊されていくのがわかる。

 あんなほんわかした絵柄でありながら空爆のシーンのえぐさ。トッシーはあれは泣いてみる映画じゃないっていってたけど視点の高いとこからの攻撃は同じ人の所業なのかと辛くて涙を禁じ得なかった。ああやって抵抗もできず犠牲になる人たちがいたんだと、今もいるんだと思うとね。いいかげんアレッポ空爆やめろや!という気持ちまで重なってなあ。

 原爆後に真っ黒なひとが亡霊のようにすずさんの街にぽつぽつ現れるのとかすごい怖かった。

 

 んで、一番はのんちゃんだったよね。

 圧倒的だったよ。途中、あれ?画面にのんちゃん出てない?のんちゃんが演じてる?絵じゃないぞ脳に入ってくる画面が。ぐらいのシンクロ率だった。400%いってたな。

 

 りんさんと妊娠のことはさらっと流されてたけど、ここは大事すぎて端折れないから逆にとってしまったそうですね。りんさんのこの世の人でない感はいかにも花街の女なんだなーとそれがまた余計美しい生き物にみえてしまうんだ。石の門から一歩も出ないとこ。見えない結界がある彼女がどういう人なのか雄弁な説明になっている。

 日常風景は笑いにあふれてて可愛かった。

 スケッチブック没収のくだり。笑ってくれる家族でよかったなあとすずの血縁家族視点で見てしまい。笑いながらもほろっときて。おねえさんも最初はいじわるで嫌な感じの人に描かれてたけど、けっこう優しいとこもあって好きになった。

 天秤棒でばばあども薙ぎ払うすずさんとか。またダイジェスト風な演出も監督わかってんな~と。

 そんなのがあって、意外とアダルティーなくだりもねえ。はずせませんねえ。

 周作がねえ!あ、鍵まで閉めやがった!!このバカチンが!叱ったよね心のなかで。お察ししてんじゃねーよと。そりゃすずといい雰囲気の男が海兵さんでまた陸に上がってこれるかわかんねー人だけどもダメでしょ!そりゃすずも怒る。そこもさらっとされてたけどすずさんはなんにもなかったって弁解したのかなあ。家に上がり込む哲のずうずうしい態度もイライラさせられるんだけど憎たらしいことにいい男なんだよなあ。すずさんは周りの男には恵まれてる。