右手が封印された!

 猫が膝に乗ってきて。収まりの良い体勢をつくった時にわたくしの右手首に前足かけて引き寄せてその上に顎を乗せ満足げに寝始めた。

 いつ起きるつもりかわからないが留守番させていた手前、無下に起こせない。家の中は基本ついて回ってくるから家事などやっているとかまってやれなくて一日の一部くらいはちゃんと相手してやりたいと思うとつい。まだ赤ちゃんだし。四か月だそうだ。

 動物病院連れて行ってよかった。

 とにかく病院が怖い僕は猫を連れていくことすら憂鬱になった。マックのポテトで釣って(前みたいに買い物に付き合ってくれなくなった)姪ちびと嫌々キャリーケースを買いに行って、明日ちびちゃんも一緒に病院に付いて来てくれたらいいのにとマックでポテト食いながら勧誘してみたが、ちびちゃんは明日は学校だから無理と冷静に返された。

 翌日、物凄い緊張しながら初めての動物病院(カフェ風の内装でおしゃれだった)にいく。

ワンコを飼ってた頃に世話になっていた病院はその日休診日だったから、犬と猫それぞれ専門で見てくれるところをえらんでいったのだが、奥さんが猫のはずなのに旦那先生が対応してくれた。わたくしの緊張とは真逆に猫は落ち着いたもので。太巻きのようなこいのぼりのような立派な先輩猫がにゃーにゃー言うのをよそに静かにカバンの中で寝そべっていた。呼ばれて診察台に乗ってもほとんど暴れることなくいろんな処置を受けて先生にも気性のおとなしいいいこだとほめらた。先生も気さくな優しい人で良かった。

 びっくりしたのが耳の中の汚さだったよ。そんな汚いことある?ってくらい汚くて。毛並みがきれいで噛んだり引っかいたりしないからもしかして迷い猫では?という心配があったが、耳の汚さでやっぱ野良だなと確信が持てた。たぶんお母さん猫がいるんだろう。けどひとりで食べ物探しに来たんだな。まだこんなちっこいのに!

 三種混合一回目と耳の掃除&点薬と、ノミダニにきく点薬と爪切りしてもらって一回目の診察無事終了。病院はやめに連れて行ってよかったー。とりあえず一安心。

 病院で落ち着いてはいたが帰ってから、緊張が解けたのかわたくしのひざの上でほとんど寝て過ごしていた。が、翌日突然、暴れだした。今までが大人しすぎたからかわいいものではあるけれど、パソコンの裏の隙間を猛ダッシュして猫じゃらしに突っ込む、階段を駆け上がる。マットで爪を研ぐ。もうすっかり自然体になったのか。

 初めはひざの上で寝た猫は「うわ!人間や!」と目を覚ますたび警戒していたのに。

 ねこに一匹で留守番させて帰ってきたとき、階段降りてきて迎えてくれるが、こっちがテンションマックスで「待っててくれた帰ってきたよ!」って駆け寄ると逃げられる。「え?なんで」ってこっちとしてはなるが、怖がらせたのかと思ってたが、犬と違うんだと気づく。犬ならこっちのテンション上回って一年ぐらい会ってなかったか?ぐらいのリアクションがあるけど猫違うんだね。猫のことはまだよくわからんなー。