儚い10万円

お題「10万円」

 あ、10万円ですよね。

 もちろん給付金もらったさ。そして来週にはまるっと消える予定さ。

 車検でね。先々週くらいに黄色い帽子から直電あり、車検前点検の催促あったので行きました。当然、基本の点検以外のいろいろ勧められるわけですよ。気合入れて断ろうとしたけど、今回はバッテリー交換必要なこともあって、「はいはいあれでしょもう、全く想定外の10万円、結局こういうことに消えるんでしょうね~(怒り)」という予感めいたことがさっそく現実味を帯びてもうそこで諦めが出て、車体裏のサビがあるから防錆したほうがいいっていわれて、サビとか言われるとビビるやん?サビはこわいやん?したら渋々たのむやん?渋々頼むやつがいくつかあるやん。ヘッドライトカバーの曇りとかこっちから頼もうと思った部分もあったりで、そしたらさらっと10万いったね。

 車検と国保の追納両方この給付金でいけるか!という企みは無残にも散った。

 10万円も軽く散った。

 あっちゃんのお金の授業で絶対やってはいけないのなかに入ってた。車も。ほんとそうだよ車なんて定期的に万単位でかねとぶし。走るだけでガソリン代使うし。

 でも、田舎てのは買い物くらいは近所で済ませても通勤だの病院だの交通の便が時間帯まで限られどうしても悪いとこが多くて一人一台として足にしてるからね。これは都会っ子にはわからねえ事情なんだぜ。削れねえのさ。

 再来年、また車検代ちゃんと用意できるか毎回不安になるわ。たぶん数か月後にはタイヤ交換しなきゃだし。

 

 少し前まで、押入れに眠らせたままの絵の具が悩みの種だった。もったいなくて捨てるに捨てられなかった。無職の時に、そうだゆっくり絵でも描こうとか思ってそろえた画材だったが、無職の時ってなぞの焦りと恐怖感に襲われて絵を楽しむとか言う時間が逆に持てなかったんだよね。それこそ仕事ないんだから、画をかいたらこれで収入作るぐらいのつもりで描かねばならないとかいう謎の強迫観念が生まれたりして。今思えば結局無職中何にもしなかったんだから、もっと旅行行ったり絵描いたり楽しめばよかったとおもう。

 ちょっと前まで子供たちが休校中にやることないってんで、うちによく来てたんだが、そうだ画材子供たちに使い切ってもらおうと頻繁に家族総出お絵描き大会を開催したおかげでカンバスや絵の具をかなり使うことができたが、だが、かなり使ったにもかかわらず、どれとして使い切ったものがなく、むーん。でかいカンバス一枚がやっと作品に昇華してくれたけど。カンバスのは絶対汚れると思って、外の車庫で子供たちにゴミ袋をかぶせて手で殴り描きやってて、近所の若い家族連れ散歩の見物にさらされた。

 やばいのだ。

 俺作、砂漠と惑星。

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 俺のような日陰者は、近所の目にふれないように夕方、人目を盗んでスケートボードにのって盛大に大の字で転倒しても、ひとりで笑ってそそくさと家に戻る。そんな肩身の狭さがあるのだ。