外出もままならない。

 小一時間で帰られるように急いで買い物にいっている。家に猫がいると思うとなるはやで帰りたく、映画など見に行く精神的余裕がない。

 

 そこで結局、俺のスーパーでレンタルするしかない。

 やっと準新作とれた「沈黙-サイレンス」を腹決めて借りてきた。絶対辛いのはわかっていたけども、辛かった。

 これのまえに「ドリーム」を見ていたから差別嫌だわぁという、うんざりもありつつ。

 キチジロー全然悪くないやん。踏め踏め!そんなもん!家族守るためだもん。博愛の精神(教えに沿っている)でいえばその方が道理に従ってるよ。というところにはじまり。

 日本の地での布教は難航。それを沼と表現していた。それというのもちゃんと布教できないから。

 マリア=理解してもらうため置き換えたら、大日如来になっちゃって、結局農耕民族である日本人の遺伝子レベルで刷り込まれてる太陽信仰になってしまう。

 よく理解されぬままに、とりあえず施した十字架とかロザリオの珠で偶像崇拝(だから踏み絵に必死で抵抗してしまう)化されてしまったり。

 結局、作中でも語られたように、お百姓さんたちの厳しい暮らし向きにおいての救いは、外国のひとがやってきてまで伝えてくれた、よその国の宗教(仏教みたいに国家権力とずぶずぶの関係でないからクリーンなイメージ)と、損得でなく手を差し伸べてくれる異国のぱーどれがやってきたこと(公式からの供給)への感謝であって、宗教の教義そのものではなかったというところが、あちゃー感がすごいけど、それよりあちゃーなのは、

 自分たちが来たことで拷問されて現地民がどんどん殺されてしまうことで、「あれ、俺の信じてきた信仰てなんだったんだろ?」とロドリゴ神父が迷うところ。それは宗教が組織化して権力をもち、本来の教えとまるで異なる既得権益からくるような決まり事で原型なくなってる例のあれのせいですよ。仏教だって、仏教てそもそも宗教じゃなくて、世界の在り方を説明したうえで、心の処し方を教えてくれる、考え方だったはずなのに。

 そもそもプロメテウスでも示されていたが、神といえるようなやべえもんは、人間にとって都合のいい存在ではないはずなのよ。キリストだって人間にとっての人間的な神はお前の精神の在り方のなかに存在しておるって言ってたとおもうよ最初は。

 なんだかなあ!になってるところを非常に頭の切れる井上さまがずばずばつついてくるわけですよ。イッセー尾形格好よすぎた。野蛮でありながらめちゃくちゃ切れ者。やってること下衆すぎるにもほどがあるが、あの役目においてはすごい優秀だった。たぶんキリスト教のこと勉強してて、そのうえで穴が見えちゃってたんだろうなあと。それゆえロドリゴ転ばせようとしてたのか。

 カイロレンは存在感薄く引きの画で死んでいった。浜辺のシーン、引きの画でカイロレン歩いてきたとき何とも言えん面白さがあったんだけどなぜだろう。

 ロドリゴたちが戸惑ったのは、キチジローのほうが人間的なたくましさがあったり、しかもそれを教えの上で憎むことはできない。教義はわかってないけど村人たちの信仰の姿勢のほうが自分らより純粋で真摯だったりして「俺たちって?」となっていたからだけど。

 そんな中でいろいろ大変な目に合うパードレに何の救いの手も差し伸べない沈黙の主。だったが、そうやってその時々、苦心しながらも為すべきことを為していく人生そのものに主からの導きがあったという解釈をしたんだよねロドリゴさんは。すべての試練が神からの教えでありそれこそが、ずっと続いている救いの表れだったという。もうこれキリスト関係なくね?って思っちゃう。人生経験という里の行は宗教なくてもみんなにあるもの。

 面白シーンで言えば最高だったのはキチジローの奉行所?で踏み絵するとこ。すごい気軽に踏んでくやん。踏み絵してる意識すらないやろてくらい軽く踏んでささっと撤退していくとこと、定期的にひょっこり表れては告解させてくれーい!許してくれーい!って突撃してくる感じとかたまらなかった。気軽!もう許しの秘蹟ありきの裏切りやん。あれってある意味、神道的な穢れの考え方なんだよね。禊さえすれば本人への責は問われない、穢れは身に付くもので払えば落ちるというあれだよ。

 最後のシーンは。そのひとのなかでどう最後まで信仰をよきものとして実践して守れるかつーとこなんだということを伝えてたと思ったよ。

 沈黙はイッセー尾形の演技楽しんじゃってる感も独壇場やったし、片桐はいりさんも完全にいつもの面白演技のままやってるところが格好良かった。日本陣営の布陣はなにげにあらゆる範囲から選ばれてて滋味深かった。

 最後までじっくりたのしめるんだが、何しろ長い!!景色がきれいだったりするから見られちゃうけど。

 

 沈黙の前にみた「ダウンサイズ」という映画のなかの家政婦の元活動家のアジア人女性こそよきものだった。まさかダウンサイズのラストであんなに感動して泣くとは思わなかったからさ。これもいい映画だった。のっぴきならない環境問題から人間を小さくするんだ!という驚きからまさかあんな展開へいくとはなあ。ラスト詳しく語られなかったけど明らかに環境悪化してんだよね。それでも……という話になっていったんだよ。まさに目の前の為すべきことを為せだった。

 

 

 

 最近見たやつ

 

 

アパルトヘイトひどいよね。まじで白人の傲慢さには反吐が出る。「800メートル先のトイレ行ってたんだよ!」の啖呵からの、白人の上司がトイレの標識ぶっ壊すシーンにはカタルシスがあった。

 

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 金髪のシガニーウィーバーが最高。すごくかわいいし、すごくかわいい。

スネイプ先生も最高だし、チェンバル語みたいな異星人の言語もいけてる。一番面白いのは、地球の創作物を歴史ドキュメンタリーと勘違いした異星人がドラマのセットを機能込みでそのまま再現してしまう技術力があるのに使いこなせないというとこからのドタバタなんだけど、そこにキレたシガニーの「くそ脚本家殺す!」みたいな暴言。とかSF好きならたまらないシーンの数々だった。