ベルセルク。終わってしまった。この先のストーリーも考えてみる。

 読んでる最中、ちょっとした端役の衣装の描き込みに「それ以上描き込まないで!!」って何度声が出たか。死ぬぞ!!って。

 自分がアナログ原稿やってるときに見たら確実に吐いたと思う。

 途中でデジタルにしたから、どんだけでも拡大して描き込めちゃうようになったらしい。

 そういうことでほんとはもっとじっくり時間かけて読むべきだったのだろうが、ベルセルク今出てる巻はすべて読みました。

 面白かった。面白い。まだ終わってないし。

 ということでネタバレして感想かきます。

 

 

 高校生の時に友達にめちゃくちゃ勧められたんだけど、なぜか読まなかった。

 もし中学生の時に読んでたら人生変えるくらい影響うけただろう作品だった。

 自分が中学の時はドラクエ5でめっちゃ過酷な主人公を疑似体験したせいか、ひとりで物凄い過酷な自然の中をたった一人で魔物を倒しながら生き抜くみたいなのに異様にあこがれた。そういう時期だったら、ドンピシャすぎて逆に出会ってなくてよかった気もする。そもそも幼少期から見ていたテレビアニメの題材がなぜか過酷な状況を生き抜くみたいのが多かったのだ。

 フィンランドで謎に崇められている銀刃とかガンバの冒険、みつばちハッチ、聖闘士星矢、母を訪ねて三千里、小公女セーラとか。……時代!!

 なんかもう生まれが良くても環境が惨いのよ。もっとわかりやすく北斗の拳も始まるし。なんか気分はいつも過酷だったのよ。娯楽のはずのアニメが過酷な内容だったから。

 そんなころを思い出すベルセルクだったです。

 さすがに後半行くと、作者も大人になったんだなっていう群れで生きるガッツになっていきましたが代わりに、時代でしょうかやたら半裸の女子供が増えます。

 パーティーがほぼ非力な女子供だけというドラクエだったら絶対避けたいパーティー編成のかわりにほぼガッツのハーレムですから。仕方ないよねだってガッツかっこいいから。

 13巻は辛かった。ページをめくるのやめたいくらい。キャスカがえらい目に合うシーン。この作者ならやるぞ、絶対キャラに配慮とかないぞ、そういうひと!だからキャスカとんでもない目にあう!と怖くてほんとに読むのやめようかなって漫画読んでて読みたい気持ちと辞めたい気持ちがこんなに拮抗したことない。思ったよりましだったけど。バケモノたちに蹂躙されるかと思ったけどフェムトだったし。まあ、ぎり。でもキャスカにとったらあんな酷いことないよね。命の恩人で憧れの人に恋人の前でレイプされるって。そりゃああなる。

 なによりガッツだけじゃなくていろんな人の視点で話が同時進行していくから、さあガッツこっからどうなる!ってこっちもまえのめりになったところで、またグリフィスオスカル奇跡の御業みたいなパートはいるから歯がゆいやら面白いやら。

 この漫画の中でやる?っていういろんな要素を全部乗せしてあるんで読むのは楽しくて仕方ないんだけど、話は進まない。作者さん楽しいんだろうなって伝わってくる。

 脇キャラが全部濃いもんな。一番好きなのは髑髏の騎士とゾッド。ゾッドとガッツが共闘したときはあがった。髑髏の騎士はとにかくかっこいい。

 敵の犬の使徒は一番嫌いだった。ああいうの現実にいる一番シャレにならんタイプの犯罪者じゃん。もし南海トラフ地震後同じコミュニティにいたら〇す。素早く。あれは遺伝子レベルでどうにもならんタイプの悪党。

 難民キャンプのエピソードの設定面白いし、

 ガッツの黒い鎧もかっこいいし。これからの鎧との関係性も見たかったよな。

 キャスカの夢に入るとこなんか面白いエピソードだった。マッドマックスフューリーロードとかベクシンスキー入ってたね。あとやっぱ男根への恐怖心がしっかり現れてるのがさすが先生!!となる。ちゃんと描くんだよ三浦先生は。ほんと偉大な創造者を失ったな漫画界は。

 ガッツもキャスカとほぼ一緒なんだよね。憧れた命の恩人にレイプされる(ガッツは間接的に。それも男として一人立った日にレイプされメンタルを挫かれる)っていう最悪の経験が一緒だから余計、ガッツはキャスカに自己開示できる。ガッツのデカい剣も自分を守る武器であり、憧れだった父を失って代理としての男の象徴でもある。ほんと男の子の物語である。

 あと意外と少女漫画でもある。女の子視点の少女漫画とくにソーニャなんか”女~”っていうキャラとその三角関係があったり、ファルネーゼと魔女っ娘と庇護されるキャスカの関係性とかでも少女漫画でよくあるような心理描写もあるんだが、一番はガッツ目線の少女漫画的描写があるんだ。成長物語っていうより、ガッツ本来の優しさとか人と仲良くしたいという欲求がどうやって壊されて閉ざされていったかが丁寧に描かれてるから、どちらかというと女神系の物語に分類できる。物語の目的が「行きて帰りて」じゃない、「ちょっと素直になる」タイプのまさに少女漫画の構造だから永遠のライバルまでもが、女のように美しい造形になってんだろうな。ここが興味深い。パーティーに女子供が多いのか、ただの性癖なのか。割と作者さんて女性的な性質があったんじゃないかなあと読み取れた。

 絵のことはもう言うまでもないけど、感動したのはキャスカの体のかき分けすごい。

 千人長だったころのキャスカの体はため息が出るくらい美しい筋肉で締まってたのが、心神喪失してからは普通の一般人女性の体形になってるのが、すごすぎる。そこ描き分けるんですね!って脱帽。

 

 残された謎。

 髑髏の騎士

 髑髏の騎士のベヘリットの剣

 ガッツの荷物にあるベヘリット(パックが持ち主を常に主張)

 ファルコニア

 黒髪の子供(男の子)

 

 これから自分のラストの予想。

 やっぱりガッツと転生フェムトとのファルコニアでのタイマン。

 ガッツがやっぱりグリフィスに勝つ。でもいざというところで友情からガッツの手元が鈍る。グリ、不本意故、キャスカを殺す。暴走ガッツとフェムト対決。ガッツなんとか打勝つ。が、フェムトがパックから奪ったベヘリットで、再度ファルコニアの全住民(数で勝負)を贄にしてゴットハンドの上の存在へ近づく。ガッツはグリの贄の刻印があったため新たな蝕の犠牲にならない。二度目の天使化で、ゴッドハンドを束ねていた上の存在にタイマンを仕掛けるフェムト。かくりょの光の存在であった髑髏の騎士(初代ミッドランド王)も参戦。黒髪の子供(生まれるはずだったキャスカとガッツの子。蝕のフェムト出現時、あちらに置き去りになっていた胎児の幽体)も。

 フェムトと髑髏の騎士のなんやかんやで神的な存在の力を無効化。

 少し不思議な力が残った(凶悪な闇の力も光の力もない)世界で実は生き残っていたキャスカとガッツが農夫のように暮らしている。あの時の子供そっくりな子供も生まれている。グリがどこからかふたりの平和な暮らしが実現できてよかったとかいって髑髏の騎士と時空のはざまに消えていく。

 ま、じぶんの想像はこんなところです。

 三浦先生はもっと容赦ないこと考えてそうだけど。はああ!!もうラストは誰も読めないんだから。