アヲモリにいきたい。
ここはアヲモリの第八連帯詰め所。記憶がただしければ。
「ローン・サバイバー」を観た。
マーカスさんの体験談をもとに作られた映画。
なんでそんなに話題にならなかったのか不思議なくらいすごい映画だった。
あのバトルシップの監督がやっと本領を発揮した作品。
というか、逆にこんな映画を撮れる監督がバトルシップに招集されて映画を完遂させたプロ根性にしびれた。
ネタバレ全開で感想。
ざっくりストーリー。
米軍ネイビーシールズがアフガンの山岳地帯に潜んでるタリバン兵の動向を知るため危険地帯に潜入する。ヘリである程度離れた場所におろされ、目的の村でミッションを終えたら指定ポイントに戻って体の回収をまつ。
まず、この作戦ひどくないか?という印象が拭えなかったんだけど、実話だから納得するしかない。実話だからあったんだもんという押し。
せめて小隊規模で潜入すれば応戦もできただろうに。
こんなふうに毎日戦場で兵士とか民間人が死んでるのかと思うと、兵士よなぜ戦場にゆくのかと思う。退役軍人とか帰還兵が、心病んで家族がぐちゃぐちゃになったり、それきっかけで犯罪が起きたり、ろくなことないのに報酬のために戦場に出て行くひとが減らない。
んでも、現地で好戦的な連中に被害をうけてる民間人もいるわけで。
アクションの見所は、崖を転がり落ちるところだよ。
二回も。他に移動手段はないのか、それただの身投げやんけ。
骨が何箇所も折れたよね?っていう音が凄いし、途中から地獄甲子園かよ!っていう笑いすらわいてきた。あんな凄まじい訓練を生き抜いた精鋭兵士が、こんなひどい目にあって半べそで岩場を逃げ回るという間抜けなことになってるのが、ほんと争いってなんだかなあ。男ども良い加減戦争やめたら?という心底の冷めがくる。
アクションとしての銃撃戦はすごいけど、山岳地形では微妙に足が遅いネイビーシールズにハラハラした。山で装備が重すぎやしないか。しかも潜入捜査なら身軽なほうがいいんじゃないとか。そんなでかい機体むき出しで低空ホバリングするのかよ。撃ってくださいじゃあるまいし!とかね。
残ったマーカスがピックアップされるとき
またですよ。米軍が村の上空から一掃射撃するのとか、タリバンと村人見分けてないよね?!!っていう腹立たしさ。
ほんでこの出来事で一番凄かったのは村にいたどこにでもいる男の選択。
敵から逃げている者には手助けをするという先祖の教えを守って、米国人を匿ったんだよね。武装したタリバンが村に乗り込んできてるのに、自分たちの暮らしがむちゃくちゃになるのはわかりきった上で、なんの縁もない異国人ひとりをまもったという人としての善行。
これはこの話の二つ目の道徳のジレンマともいえる。
でもやっぱりさ、人類が自分の命とかを超えたとこで行う善意善行って尊いと思う。
なんて偉大な選択か。それだけに、エンドクレジットに出てくる写真見て感動もすごい。
おい、米軍その村に対してのアフターケアちゃんとしたよな!!
あの男の生活ちゃんと元に戻したよな!?
そんな苛立ちもあの写真で、あのひとは強い人なのだからきっと大丈夫なのだと信じることができる。
最後まで米軍とかタリバンのやってることに対して客観視してつくられたいい映画観たわーってなります。これは良い映画だ!!