映画見すぎて肩こり治らん。

 世界のトレンドが。
 あくまでディズニー作品の話なのですが。
 
 特にピクサーのポリコレ的配慮が凄いです。今までディズニーが幸せな姫と王子様の結婚でめでたしめでたしでやってきたのに、どの作品にも同性カップルとか家庭の描写がありますね。
 結婚がゴールにならなくなったので、それでも続く日常にストーリーが移ったことで、キャラクターのメンタルが主題になってきています。
 そうなると、メンタルに問題を作る最大の温床となる家庭を描かざるを得ないので、家族の和解や協力がストーリーになりがちなようです。
 ディズニーは家族向けの作品作りを徹底してるんですね。
 
 
 以下、めちゃくちゃ断片的に ネタバレあり の感想です。
 
 
 
 
 私ときどきレッサーパンダは色々凄かったです。
 共依存の母娘問題が主題になってて、母が娘を別人格として分離できてないことで無自覚に行う過干渉とか、娘への配慮のなさ、過干渉されることで自分の欲求を優先できない主人公とか、主人公も思春期(初潮)を迎えることで制御できない自分に戸惑い翻弄されるっていう女の子から大人への途中問題、でもそれって実はお母さんもそうで、母親になっても自分の母娘関係をうまく克服してないんだよっていう、あるあるがそんなうまいこと描けますか?っていう精度で映画化されてて凄かった。
 反抗期って大事だなと思った。反抗期ない人って死ぬまで絶対ないとかないと思う。おたふく風邪みたいに、なるべく子供のうちにやっといたほうがいいやつだよな。主人公が最後にした選択はとっても大事なことだよね。
 
 
 んでマーベル。
 ドクターストレンジのドラマでは、ワンダの精神病をホラータッチで描いていて、ここまでエグい感じで掘り下げるのかマーベルはと、ちょっと驚きました。
 
 エンドゲームで払った犠牲の歪みがちゃんと描かれているとも言えるけど、やっぱキャプテンアメリカみたいなキャラがいなくなったからかなあとか、ちょっと気持ちがついて行かない部分があります。
 キャップを歓待しすぎたせいやろ。
 わたくしインフィニティウォーは手放しで傑作だったと感じたけど、エンドゲームは不満たらたらで、ナターシャが犠牲になったことしか思い出にない。
 やっとフェーズ4を履修して、エンドゲームって何があったっけ?ってなって見直したけど、何にも憶えてなくて初見の感覚でハラハラしながら見られて、やっぱキャップかっけー!ってなったけど、キャップのかっこよさ描きつつ引退してもらうためにやった歪みが全部ナターシャに降りかかっとんねん!!ってまた激怒するいち視聴者であった。
 
 いうて、ナターシャや、アイアンマンも役者さんの都合があっての引退なのかもしれんけど。
 ソーもそうなのかと思って、あんまりロキもラブ&サンダーも見たくなかったんだけど。
 こっちは違うかも!!希望が見えた!
 映画の方でソーは帰ってくるって言葉があったので。
 ソー役のクリスが「もう体作るの辛い」って引退をほのめかした時期もあったが、エンドゲームみたいなやり方もあるってなって精神的負担減ったのかな。
 それどころか、ラブ&サンダーなんか過去いちの体作ってきてて、ほんとに神々しいくらい美しい全裸シーンあって、やっぱハリウッドスターはすげえよ。
 
 制作陣営も気付いたんですかね。
 ソーシリーズはあくまでソーロキだということに。
 バルハラ登場で一概にはいえないかもだけど、背中に墨しょったお兄様を完全にシングルにしましたね。
 んで、ロキもロキの生存確率を完全にゼロにするためのシリーズ化かと思ったら、そうでもないような。ロキもたぶんシングルになって多次元宇宙からの復活ルートに活路が。
 そうなると全世界の視聴者が見たいソーロキが帰ってくる感じ?
 さーすがわかってんじゃん!それが見たいんだよ。みーんな、ここにいるよがもう一回みたいんだよ。
 「ロキ」は面白かった。他宇宙のロキへっぽこすぎる。ヴィジュアルへっぽこすぎるロキの方がなにげにすんごい強いのも面白いし。あの時間管理局の雰囲気とかめっちゃ好き。あと、いい感じになる相手が他宇宙の女ロキっていうのもロキらしいし、視聴者的にもギリセーフなとこ狙ってて制作人の配慮の高さが凄い。
 
 ラブ&サンダーもすんごい素晴らしかった。
 なにがよかったって、ヒーローものだから。主人公がここぞっていうところで劇的に誰かを助けるシーンがちゃんとあるとこ。
 しかもそれが、ほかの神々によって大事な娘を失って本作の悪役になった男を助ける。ところが。もう泣いたね。
 ソーは暴力的に解決とか、元通りにするとかでなく、悪役になった男の心を救ったんだよね。それこそ神の救いの在り方でありヒーローなんだなって。
 神様の在り方に自信が持てなくなって、神であることを捨ててたのに。そんなソーが悪役の男を導き救うことで一番神様らしい存在になってたのがムネアツ。今度ヘラクレスが敵になるっぽいのも楽しみ。あの星の子やべえ感じするし。たぶんキャプテンマーベルより強そう。強さの比較表みたいの欲しい。ワンダも相当なはず。
 
 最近のディズニー作品群トレンドの それでも続く日常をどう生きるか っていうテーマにも沿ってる。
 ワンパンマンチェンソーマンも、これなんだよね。
 強くて敵が倒せても、夢が叶った後もただ日常が続くっていう。
 ポチタって夢の悪魔なんじゃねって思うくらい。デンジの最高の夢が叶ってこれ以上はないってなったその後、「思ってたんと違う」って絶望したときのヤバさ、それがほかのどの悪魔より畏れられたら、夢の悪魔が最強で最悪ってなるんかなあ。
 
 戦争と飢餓にさらされず、とりあえず平穏に暮らせるようになった大半の人間にとって、ネットで誰かの最高を見せられつつ、自分の夢が叶っても誰かの最高みたいになってない、同じようにただ続く日常っていうのが絶望になって、それを畏れ始めたのかもな。
 絶望ライン工のひと「生きてるってさ」でもう最高のアンサーしてるけど。
 もう誰かのヒーローになるしかないんのかもな。新しい世紀は。
 
 
 ガンニバルも主人公が家族の娘と嫁を守ってるからディズニープラスで配信できるのでしょうね。初見で、ガンニバルってディズニーでいいの?ってなりましたけど。
 それにしても柳楽優弥君はいいですよね。銀魂の土方氏を柳楽君に配役した人天才すぎると思いましたが、柳楽君が良すぎてもうガンニバルも最高です。
 画作りが気持ちよくて、無駄なカットがないところも引き込まれますね。車の移動シーンすごい良かった。田舎からだんだん町へとその逆も、隔たった村の閉そく感が演出される。大悟の捜査の時間経過もリアルに体験できて、一緒に同行してる臨場感もでてくる。
 私が勝手に「木枯し紋次郎」一部見てから提唱する演出の要。準備の時間だよね。
 準備の時間。絶対大事。
 これから行くよってシーンの前に”ずんび”(よゐこ語録)があるかないかで全然違ってくる。紋次郎が草履の紐替えて足に装備するシーンで締まるんだよなあ。あれがめっちゃかっこいい流れになる。
 これからひと暴れのまえに、装備をつけたりするシーンは大山場のときは見たい。大作映画でこれがない作品はほぼ見たことない。ガンニバルはそういう準備にあたる時間的余韻が演出されてて見ごたえがある。
 
 柳楽君の演技では、暴力振るうことに快楽もってるキャラクターの見せ方ほんとに好きなんだけど、
 娘のましろが殺されるってシーンで、大悟がすんって極限まで冷静に理性で銃を構えたとこの演技痺れた。そこは快楽の暴力じゃなくて娘の命を確実に守るっていう父の演技なんだよね。一切体がぶれない確実に弾丸を打ち込むぞっていう静止。ふぉーー!!!ってなった。いいよねえ。
 柳楽君はあれだよね。ハリウッドの俳優さんと同じ演技方法だよね。